埼玉の映画!『のぼうの城』今後のPR

質問 中川 浩

全ての県庁職員の皆さんは熱みなぎる、また、人の心を温める埼玉県の営業マンであってほしいと思っております。県庁ですれ違う職員のイメージは、大変恐縮ですが、ポケットに手を入れ下を向いて歩いているイメージがあります。私の住む狭山市と姉妹都市関係にある新潟県津南町の職員の方に以前聞いた話ですが、普通市町村で市民に郵送する税金の振込用紙などの文書を町の職員が勤務時間以外に無給で手配りしていると伺い、大変驚いたことがあります。
 そのようなことを聞いている中、今年9月3日に埼玉会館で開催されました「映画『のぼうの城』埼玉県民500人の力」設立大会は、参加者数が320人から330人ぐらいということで、県職員の参加者は多くなかったように思います。また、その集会の後、参加者や県職員がどのような活動をしたのか見えない状況にあります。
 例えば、上田知事はご自身の名刺に映画「のぼうの城」を掲載しているのは存じておりますが、県庁の担当者以外の職員でどなたかそれを掲載されている方はいらっしゃるでしょうか。例えばご自分の名刺に所管のことが書いてある場合、裏もありますし、二枚にするという方法もなくはないかと思います。
 私どもの会派の議員は、映画会社と連絡をとり、例えば浅野目義英県議と私は浦和の商店街、ホテルなどを回って「のぼうの城」のポスターの掲示やチラシを置いていただくお願いをしたり、所沢市選出の水村篤弘県議は大学にポスターの掲示をお願いしたり、PR活動に取り組んでおります。県職員に目を向けてみますと、担当課を中心にPR活動に取り組んでいますが、直接業務に関係していない県職員からはその意識が余り感じられません。
 一方で、こんなことがありました。私どもの会派の控室の入り口には「のぼうの城」の看板を設置してあったのですが、以前、県庁の掃除をされている方がその看板を見て映画に関係した歴史の雑誌をわざわざうちから持ってきてくださいました。私は一度もお会いしたことのなかった方でしたので、うれしくて仕方なく温かい気持ちになりました。
 映画「のぼうの城」は全国の映画館で上映され、年明けまで多くの映画館で上映されるほど来場者数も上々と伺っております。この映画を起爆剤に県民意識が薄いと言われる本県の県民意識を醸成するとともに、埼玉県を県外にもっとPRしていくべきであり、またとないこのチャンスを逃すべきではないと思います。既に上映が始まったから終わりというのではなく、いずれ発売されるであろうDVDなどの発売期間も視野に、まだまだやれることがあるはずです。
 これまで私は県立高校、公共施設でのPRをお願いしたり、県立の博物館で「のぼう」に関連した展示物を強化していただくお願いをしたりするなどしてきましたが、例えば埼玉高速鉄道ではPRができておりません。
 そこで、埼玉の映画「のぼうの城」の今後のPRについて何ができるのかを徹底的に洗い出し、それを実行していただきたいと思いますが、どのようにされるお考えなのか、知事にお伺いします。


答弁者:上田清司 知事

忍城のことは知っていても、たった500人で石田三成率いる2万の豊臣軍を食い止めたという史実はあまり知られておりませんでした。
 城兵と農民が一体となって大軍を撃退したというストーリーは、埼玉県民にとっては痛快な話であります。
 お話のとおり、「のぼうの城」は大ヒットとなって、映画会社は3日間の興行収入を見て20億円の興行収入予定を一気に40億円に変えたというぐらい見込みがある映画となったそうであります。
 中でも県内では大変な反響で、12月2日の日曜までの1ヶ月間で映画館に足を運んだ方が30万人に至るというそうであります。
 そういう意味で埼玉県として、この「のぼうの城」を活用したPRについての中川議員のご提案は、1つ1つ意義のあるお話でございました。
 県庁の職員のメンバーは、同時多発的なことをすることが苦手な人が多いもので、企業局の人は企業誘致のアピールの名刺を一生懸命に持っていまして「のぼうの城」のことは忘れております。
 福祉の方は福祉のことを一生懸命やっていて、「のぼうの城」のことを忘れておりまして、なかなか我々の職業みたいに同時多発にいろんなことをやることに慣れていないのでご不満も多いとは思います。
 極力今後県庁の職員にも同時多発的なことができるように、さらに「のぼうの城」のPRをあらゆる機会に展開するよう、今後とも努力してまいりたいと思います。