教育  ③ノーマライゼーション教育の計画的推進を

平成26年2月27日 県議会、一般質問

2.教育
③ノーマライゼーション教育の計画的推進を

質問 中川 浩

・小学校は、通常学級在籍を原則で。
 これまで埼玉県は、保護者のニーズの高まりで、特別支援学級の児童が増えていると言って来ましたが、それには一部誤りがあると思います。
県はこれまでノーマライゼーション教育の推進を謳って来たものの、現状は、小中学校の特別支援学級在籍人数が毎年大幅に増え、通常学級と特別支援学級との距離が開いてしまった感が否めず、私が子供の頃は、今思えば発達障害のような子がいましたが、通常学級で特に問題なくやっていました。近年は、通常学級のあり方がうまくいっていないのだと思います。
 発達障害等を診断されたり、学校から学習の遅れを指摘されるなどした児童・生徒の保護者は、就学支援委員会から毎年声がかかります。しかし普通学級に在籍させておきたい保護者が多く存在する事実があり、これは県教委が行った就学状況調査で判明済みであります。毎年就学支援委員会の季節になると、学校との連絡を拒絶する該当保護者が少なくないと聞きます。児童生徒本人の為の就学相談であるはずですが、学校と保護者がこのような状況では本人の為にならない事は明確です。
 ノーマライゼーション教育を推進する埼玉県として、知的障害の無い発達障害児童は、成長が著しい小学校6年間の在籍の原則を、通常学級とし、国語・算数など主要教科は通級による指導で、個に応じた学習を図り、また、社会性構築の為、その他の授業では、サポートが必要な児童において補助指導員を活用しながらクラスの一員としての責任と喜びを感じられるようになって欲しいと願いますが、教育長のお考えをお聞かせ下さい。
 また、県としてこうした考え方で就学支援に取り組むのであれば、個々の適正な就学とは何か、またどのような仕組みで取り組むお考えか、スケジュール感と併せてお聞かせ願います。
・特別支援学校の改革
子供の数は減少しているのに、特別支援学校高等部の生徒の増加は著しい中で、生徒の社会的自立を目指した多様なカリキュラムになっておりませんが、特別支援学校のカリキュラムについての改革をどのように行い、いつ県民や市町村教育委員会にお示しになるのでしょうか?教育長のお考えをお聞かせ下さい。


答弁者:教育長

次に、(3)「ノーマライゼーション教育の計画的推進を」の「小学校は、通常学級在籍を原則で」についてでございます。
昨年9月に学校教育法施行令が改正され、市町村教育委員会はこれまで以上に保護者の意見も踏まえながら、障害のある子供たちの就学手続を慎重かつ丁寧に進める事になりました。
県ではこの法令改正の趣旨を踏まえ、平成26年度から2年間にわたり東西南北4つの市町村において、就学先決定の手続などに関するモデル研究を行う予定です。
この研究では、就学前の早い段階からどのようにすれば障害のある子供の教育的ニーズを把握し、保護者との相談を始める事ができるか。
また、個々の適正な就学に向けて保護者とどのように共通理解を図るのかなどについて、その仕組みづくりに向けた研究に取り組んでまいります。
この研究の中で、知的障害を伴わない発達障害のある子供が、基本的には通常の学級で学習する事についても検討し、その成果を踏まえ平成28年度には結論を出したいと考えております。
次に、「特別支援学校の改革」についてでございます。
知的障害特別支援学校においては、生徒が増加傾向にあり障害の程度も多様化しております。
議員御指摘の生徒の多様化にマッチした多様なカリキュラム編成については、その必要性を認識しており、既に2校で実施されております。
県としては、平成26年度からこの2校における実績を踏まえ、カリキュラムの複数編成の在り方について検討し、平成28年度には全ての特別支援学校で取り組んでいけるように努めてまいります。