2013年10月23日の活動

市民相談。
埼玉民社協会研修会(熊谷)。
■『拉致解決に向けて』。講師:特定失踪者問題調査会長 荒木 和博氏。
 2000年、オルブライト氏が米国務長官として初の訪朝。クリントン訪朝の手前まで行ったが、民主党が敗れ、ブッシュが大統領に。翌年9月、同時多発テロ。その翌年、北朝鮮を悪の枢軸として位置づけた。
 北朝鮮は、朝鮮戦争は南が始めたと今でも言っている。大韓航空機爆破事件も認めていない。
 拉致だけ認めたのは、北朝鮮が追い詰められていたから。
 日本に帰って来た拉致被害者が飛行機のタラップを降りてくる姿を見ていて、やれば出来ると思った。
 その時日本政府は拉致問題を終わりにしたいと明らかに思っていた。それが5人生存・8人死亡と発表した飯倉公館事件。外務副大臣から宣告されたが、いつ・どこで・なぜ死んだか質問しても全て「分かりません」だった。なぜ政府はあんな事をやったのか。拉致被害者家族を公館に缶詰にして、その時間をねらってマスコミに情報をリークし、ニュース速報で流させた。
 先に入った情報は固定化される。
 生きていると言われた家族も他が死んでいると言われているので、喜べない。これでおしまいと思った。
 飯倉公館では「何度も確認した」と言われたが、平壌に行っていた梅本さんに会いに外務省へ行って聞いたら「何も確認していない。北朝鮮に言われた事をそのまま言っているだけ」との事。それが小泉政権だった。
 これは情報戦だ。都庁が半旗を掲げるなど、拉致被害者は死んだんだというムード。あの時、世論が沸騰しなければ、国交正常化交渉を止められなくなっていた。日本に帰って来た拉致被害者は「あの時、国交正常化が進んでいれば、私達は山奥に送られていた」と証言。
 外務省は、拉致被害者が死亡したとされる日付を知っていて、拉致家族に伝えなかったのは、死亡日時以降の目撃証言がある為、隠した。
 その後、政府は「翻訳するのに時間がかかった」としたが、北朝鮮からの書類はA4用紙3枚で、日時はすぐ分かる。
 川口市で失踪した新木章さんなど、曽我さんが見つかった事で、失踪者家族が名乗りを上げる人が増える。
 例えば失踪地・職種・若い女性など集中している事が集計したら分かった。
 平成15年、特定失踪者調査会を設立。第1次として失踪者40人発表。第2次44人は2人見つかった。拉致以外で見つかる人もいるが、このうちの何人かでも拉致であればと思っている。
 あれから10年。一昨年から現地調査をやったりしているが、ここまで出来ましたという事が言えない。
 日本は、こんなにひどい国だったのかと痛感している。政府は基本的に隠し続け、ふたをしようとして来た。
 横田めぐみさんは、拉致だと最初から分かっていた。新潟中央署の署長が拉致だと思っていた。韓国から15才女子が拉致されたとの情報がもたらされた時、日本政府は横田めぐみだと分かっていたが「古い事件だからデータが残っていない」と返信した。
 市川修一さんが拉致された時の事は、最近になって情報が寄せられている。
 甲府市の山本美保さん失踪の真相究明を求める署名が20万人集まったが、警察は拉致を否定。死体のDNAデータをでっち上げた16年3月は、3ヵ月後に小泉訪朝だった為、拉致である事を抑え込んだ。この時も飯倉公館事件と同じく、家族を山梨県警に缶詰にした上で、情報をリーク。4月に外事情報部設立。徹底して隠蔽工作した人が今の拉致問題対策本部の事務局長。
 警察が拉致を隠蔽したという事が明るみになれば、警察機構全体の問題になる。役所のやっている事に間違いは無い。捜査上の秘密を理由に済んでしまう。これは旧日本海軍がミッドウェイで負けた時、陸軍・政府・天皇に言わなかったあの時と同じ。
 やらなければならない事は、闘う事。北朝鮮の工作員は自爆装置まで付けて工作船で日本に来る。こっちも死ぬ覚悟がなければ。安倍総理にその覚悟があるとは思えない。
 北朝鮮は、アメリカ・中国との関係が悪くなると動く。
 私が青春を謳歌していた時、蓮池さんは拉致されていた。
 自分が死ぬ時になって、あの時やっておけば良かったという悔いは残せない。

■東京電力『汚染水の現状と今後の対策』
 福島第1原発には現在3千人働いている人がおり、常時800人が作業をしている。
 年間の放射線量上限を超えたら、その年作業が出来なくなって翌年は作業が出来る訳ではなく、配置転換している。土木など人手が不足しているとの事。
■東京電力『柏崎刈羽原発安全対策』
 敷地内に万一に備え、井戸を掘った。
 宿直8人→40人。運転員205→265人に増員。

 研修会の後も、荒木さんや元海上自衛隊特別警備隊の方、東京電力労組さんと約4時間半お話を伺いました。
 元海自の方からは、外国の艦船に拉致された日本人を助けるのを、簡単だと思えるかは、自分が助かろうと思えば難しいが、自分は助からなくても救い出すと思えば、簡単だとの話が印象に残りました。
 荒木さんにも個人的に拉致問題について詳しく教えて頂きました。
(熊谷泊)