2015年9月29日の活動

【原子力国民会議(社団法人)主催:『原子力の誤解を考える』東京中央集会】
(29日。芝公園。以下、原文のまま紹介)

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主催者挨拶「正しい情報を伝えて頂くという事で、第3回開催。
 『原子力を国民の手に取り戻す』を目標に、社会的実験を行ってみよう。これまで広島・松江・九州でイベントを行って来た。
 『原子力 誤解集』を作って行っており、一部HPに掲載。
 原子力の根幹は、国会議員が決めているので、数年に渡ってロビー活動して来た。
 核禁会議は、核兵器は反対、原子力の平和利用に賛成。事故が起きた事で、原子力は敗北した事になっている。世界で一番の日本の原子力技術。再稼働し、やっと抜け出した。スピーディーにやらないと、経済に悪影響。昨日の日経新聞の社説に『信頼回復したかというとそれは言えない』と書いてあった。原子力の知識が乏しい。世界を見ても原子力の重要性は、益々強まっている。撤退しては絶対いけない。健全な原子力の発展を」。

 経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部長の挨拶
 「国民の信頼を取り戻す努力について話したい。
 過去を振り返っているだけでは不充分。
 汚染水対策に3~4千人が毎日作業している。新しい汚染水が毎日300トン出るのをくみ上げ、海に流すのが、ようやく今月始まった。昨年4月に政府は、原子力を続ける素晴らしいエネルギー計画を作った。
 現状は、海外の輸入にオイルショックの時よりも頼っている。家庭25%、産業4割の料金値上げになっており、今後、料金上昇を防げない恐れがある。自然エネルギーは、突然動かなくなる。エネルギー計画を示しただけでなく、実際に実現しなければ、国民への責任は果たせない。再稼働を進めて行く。六ヶ所の再処理を電力自由化の中でも、しっかり進めて行く。
 最終処分の問題は『トイレの無いマンション』と批判されている。来月10月を、国民対話月間として、しっかり取り組んで行く」。

 第1部『女性の目線で考える原子力』

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原子力国民会議共同代表 木元教子氏(元フジテレビ ニュースキャスターと司会者紹介)
 「『反対者に女性が多い事をどう考えるか』との事だが、今日の会場は男性ばかりしか見えない。
 橋本総理(当時)から「困った」と連絡があり、女性として私は初めて原子力委員会委員に入り、9年間務めた。
 被爆国で、原子力は原爆というイメージ。
 理科の授業で、諸外国に比べて、特にフランスに比べて、放射線について、学んでいない。
 手塚治虫さんと対談。どうしてアトムなのか?『僕はアトムという響きが好き。原子力委員になられるのは、すごくいい』と言われた。
 誤解をまき散らしている人がいるが、誤解してるのは、あまり勉強してないからだと、私は思う。
 正しいという言葉を使わないようにし、『事実に基づいた正確な情報』と言うようにした。
 双葉町について、昨日深夜番組で、間違った情報が流されていた」。

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小学館『低線量商社線を超えて:福島再生への提案』著者、宇野賀津子氏。
 「ガンのリスクを下げるには、笑う事。
 日本人は長生きなので、ガンでないと中々死ねないという事がある。
 世界的に見れば、福島並みに放射線量が高い所は結構ある。2時間、福島原発を視察した時より、オーストラリアに飛行機で行った時の被曝量が多かった。
 福島の農産物を計ったら、意外と大丈夫と思った。
 私の子供時代は、放射線量が結構高かった。
 『原発を持つ覚悟』として、老人ホームの原発事故対策を立てて頂きたい」。

 政治ジャーナリスト 細川珠生氏(政治評論家 細川隆一郎氏の娘)『国民生活と原子力~エネルギー政策の取材から』
 「小学生の母親の立場で話す。私は原子力のド素人。
 国民は原発事故に、過剰に反応し過ぎている。少し異常に映った。
 原発では多くの人が働き、努力をされている事に驚いた。東京の人達は、努力をしていない。被害者ヅラをしている事にショック。
 震災の日、子供は幼稚園児だったが、子供を持った家族は、ほとんど東京を脱出した。どうして、そこまでするのか。
 政治家が責任を回避し、エネルギーは必ず必要なのに、責任を果たしていないのが、政治ジャーナリストをやっている大きな理由。
 原発を動かす事で、エネルギー需給率を高める。動かないと、より危険な状態にある事に、国民は気付いていない。
 福島原発を視察して、ほとんどリスクは無いと思った。思ってる以上に線量は高くないというのが私の感想。
 世の中に絶対安全という事は無いのに、原発は危険がゼロでないといけないというのは、どうなのか。
 原発のある自治体と、東京の自治体との交流が必要。
 浜岡原発の御前崎で、初めて小学校で原子力勉強会が行われた。
 今日参加の男性は、奥様に負けないで説明をして頂きたい」。

 財団法人 日本エネルギー経済研究所 村上朋子氏
 「私は、電力会社で技術研究をして来た。
 様々な誤解がある。エネルギー安全保障を日々考えている。
 福島事故前、世界では“原子力ルネサンス”と言われて来た。

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写真は、フランクフルト国際会議場前での、反対キャンペーン『原子力いらない』と書いていたが、誤解。
 原子力は、世界1/6の国しか使われていない。31カ国程度。原子力利用を考えたことも無い国が3/4以上。
 福島事故後、原子力利用拡大・縮小の傾向を変えたのは、世界で日本だけ。原子力を利用する理由は、エネルギーの安全保障、経済性、環境的要素。国によっては、原子力技術。『安全』というのは、判断材料になり得ない。
 ドイツと中国の原発で、どちらが安全かという尺度は難しい。
 ウクライナ首相『お金持ちの国だけが原子力をやめる』。
 原子力発電は、日本では最も安い。世界では、高い・安い両方あり、一概に言えない。韓国・中国は原発が安く、アメリカは風力のほうが安い。
 何の為のコスト議論か。

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老朽原発は危険だと、一概に言えない。全くない。
点検検査によって、突然壊れるような事が無いようにしており、科学的ではない」。

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『女子学生が真相に迫る!今どきの原子力・放射線・環境』パネルディスカッション(女子学生3人と講演者が参加)
 司会「震災時、多くの人がパニックに近い状態だった」。
 大学生①「今日はとても楽しみ」。
 大学生②「今日話を聴いて、少し納得出来た。将来的な影響は?ガンが言われているが、実際の可能性は?」
 宇野氏「福島の一般の人に、リスクの上昇は無いのではないか。直接的な影響は出て来ないのでは。50ミリシーベルト超えた人いない。ライフスタイルの変化で、ガンが増えるかも知れないが。
 食品への放射線の移行は、福島の土が粘土質、チェルノブイリは砂地なので、土の質が違うので少ない。
 関西に避難した母親と会って来た。離婚・登校拒否・学力低下の問題が出て来て、そこまでする価値がどこまであるのかと思った」。
 細川氏「浴びる放射線の量は、ほんとに少ない。直接ガンに結びつくとは考えられない。
 私も子供も、福島産の物を食べているが。情報を集めて大丈夫だと思えば避難しない。家族がバラバラである事と、一時的な世の中に、流されるままは良くない。ホントにもし何かあるとするなら別だが。
 家族と一緒にいる事が、私の価値観の中では尊い。原発賛成・反対お互いを攻める事は出来ない。
 村上氏「福島原発のリスクは、他のリスクと比べて高くない。
 母親として子供の事を考えると言うのは、男性は考えていないのかと、違和感を覚える。
 大学生③「大学で安全保障を専攻。
 除染も、かなりされている。山は手つかずだが。
 不安が、放射線よりも強い影響を及ぼしている事が今日よく分かった」。
 大学生②「放射能の本をいくつか読んだ。子供のほうがDNAを損傷すると、都合のいい情報で書かれていた。原発の安全性を理解するのは可能だとの考えか?」。
 司会「推進派の資料を頂いてごもっともだった。質問を繰り返すと、原子力の安全を大きく伝え、一般の理解するアドバイスを」。
 宇野氏「細胞は、99%を治すと考える。遺伝子は傷つくと言うのは、ほとんど…。ライフスタイルのチェンジで乗り越えよう」。
 細川氏「安保法の議論が先週まで盛んだった。私は安保賛成で、メディア界で少数派だった。あの法案のどこを読めば、戦争法案と書いてあるのか。私は反対派の意見を論破出来なかった事は無い。私は原発は素人。やっぱり原発も論破出来るものか?」。
 宇野氏「低線量に、反対者は高線量を意図的に持ち出す」。
 村上氏「リスクを割り切りながら、私達は生活している。『まあいいか』と割り切る。原発では、何で割り切る事が出来ないんだろう。日々何気なく食べている物に、毒があるかも。皆さん、アルコールを飲み過ぎませんか」。
 大学生②「再稼働に私は賛成できない」。
 大学生③「今日の話は、すごく納得出来る部分があった。賛成・反対の人が、話し合う事が希望になる」。
 細川氏「安保もそうだが、女性に反対が多いのは勉強不足。女性は、社会との接点が無く、自分自身を成長させるのが難しい。そういう方達が自ら学んでいかないと。学生は勉強を」。
 宇野氏「南相馬は、それほど線量高くなかったが、事故時、一部避難が出来なかった。避難するリスクのほうが圧倒的に高い。鉄筋コンクリートに3日間閉じこもる事も、頭の片隅に置いて」。
 新潟県 刈羽村長
 「楢葉町が帰れる事になって、うれしい。私はバリバリの推進派と思われていると思う。推進・反対の立場とは、本当にあるのか。『原発無くても、やって来れたじゃないか』は、誤解。このままで安全が保てるのか。安保法制は、右がかっているとは思わないが、日本人はいつから国の事を考えなくなったのかと思う。エネルギー・防衛・食糧について、誤解の正体を明らかに出来れば素晴らしいが、このままでいいのか。大変な事が起きるのではないかと、大勢の皆さんに考えてもらいたい。人口4800人。プルサーマルで住民投票もあったが、国策とは、時の政府がやりたい事ではない。この電気は、努力の賜物。そういう人達を、私達は応援する。気付いたら、仕事が無くなっていたという事に、ならないように。原子力の大きな誤解。情報発信がとても大事。ガチガチな安全確保よりも、私は合理的に安全を確保するほうがいい。原子力と共生する町」。
 司会「原子力の話だけでなく、自分達の国は自分達で守るという貴重な話だったと思う」。
 自民党 原子力規制PT事務局長。自民党衆議院議員。元国土交通省職員
 「原子力規制委員会に対する提言。『効率性』の視点の議論はしたが、まだ。
 40年廃炉に科学的な根拠が無いという意見がある。
 再稼動の審査が遅れており、審査中に40年経ってしまったらどうなるのか。40年廃炉の明確な法が無く、明確な解釈が必要。次は3年後に見直し。
 国民に正確な理解を。国民会議が言っている事と同じ。国民が理解した上で、じゃあどうするのか。我々政治や行政、専門家が判断」。
 司会「原子力の規制が、市民に価値のある規制になりますように」。

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元陸上自衛隊(原発事故対応の指揮官)中央即応集団司令官
 「1号機が震災翌日、水素爆発。災害派遣・原発事故対応の2つを1人の指揮官でやった。
 放水の為の偵察で6名。福島原発の敷地内で、車から降りようと半ドアにしたその瞬間、11時1分、3号機が水素爆発。車両は大破。退避。「汚染された車両を外に出してはいけない」と隊員。クソまじめだなと思った。民間の軽トラックでオフサイトセンターへ。

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 「隊員の除染。6名中4名負傷。首をケガした隊員はそこで治療出来ず、原子力の専門的な医療機関である60km離れた福島医大へ搬送。足をケガした隊員は、そこでも対応出来ず、千葉県稲城市にある放射線医学研究所へ。全国には他に広島医大の2カ所。
 放医研での検査の結果、6名は内部被ばくしていなかった。
 15日、10時20分、政府の対策会議。10時40分、自衛隊にヘリ放水の検討依頼。
 ヘリ1時間当たり100tの放水。水圧で違う所が爆発しないか。リスクは0ではないが、やろうと。10時59分、オフサイトセンターを出る。
 隊員の安全対策として、鉛以外にヘリにタングステンシート装着をすべく、兵庫県から空輸。翌16日8時半に到着。4時、ヘリ2機離陸。風が強く、日が暮れて、原発に鉄塔が2つあり、邪魔になっており、17時15分放水断念。隊員『明日どんなに放射線高くても水をまきます』。23時半ヘリ団長に命令。翌7時45分、総理に報告。
 自衛隊の放水車5台、3号機へ放水。20時15分放水終了。翌18日東京消防庁の消防車。『自衛隊が全部指揮しろ』と命令。19日東京消防庁が再度アタックし、放水成功。
 4号機への放水、偵察したが物理的に無理。
 原発事故の教訓は、縦割りを総合化する仕組みを。
 全責任はリーダーにある。ピンチの時こそ悠然とした態度を。部下は、リーダーの顔色を見る。隊員は、どうしていいか分からない。指揮官として、隊員が早く知りたい事で詳細不明な事に対しては『黙って聞け、質問するな、耐えろ!』の精神で、逐次、分かった事から伝える。分からないものを第1報から5W1Hで完全な報告を求めると、遅くなる。上司に対して、色々な質問に答えられるように準備する為に遅くなる。『どうなってるんだ!』などと怒鳴ると、ほとんど全員がそれだけに対応しようとして、他のオペレーション(業務)に穴が空く。『早く知りたい』などという己の欲求や、部外(マスコミ)の要求に耐える。
 スペインの皇太子から『福島の英雄たち』と表彰された(症状にそう書いてある)」。
心身とも後遺症無し。

≪原子力国民会議 各地区の活動報告≫
青森地区
 「考える会の活動は、丸10年になる。
 原子力産業は、青森では産業に大きな影響。
 東通りの活断層について、3人の学者のうちの1人(実名)は、よく言えるなと思う」。
敦賀地区
 「原発の安全対策、ここまでやらなければならないのかなと思う。高浜原発は、ほとんどヒューマン・エラーは無かった。絶対安全、それでないと認めないと言うのは、ちょっと飛躍した、矛盾した考えではないかと思う。
 我々が6項目の請願をあげ、町議会は意見書を提出。全国から批判を浴びた。
 福井県の発電で、東京都の電力をまかなっていたようなもの。
 安全性と経済性は表裏一体。そのバランスが無ければ、あり得ない。安全で再稼働が出来てこそ、復興(拍手あり)。
 試合中にルール改正して、9回を7回でやめるようなもの。
 わが町は原子力を誘致して40年。100をゼロにすると、多くの町民が路頭に迷う。中には、『けじめ』をつける人も出て来るかも知れない。次世代に、火を消してはダメ(拍手あり)。しっかりと話し合う場を。日本は『絆』で手を組んで」。
九州地区(ポケットに手を入れながら報告)
 「九州集会9月26日『福島の真実とこれから』。27日唐津集会。
 エネルギー消費は、元に戻らないので、エネルギーの争奪になる。
 地球温暖化を放置する事によって、より大きな惨禍に見舞われる。
 『核のゴミ処分』、イヤな言葉だが、英知を結集して。
 国民諸君に呼びかけて行きたい」。
中国・四国地区
 「7月26日の集会で『昆布を食べればヨウ素剤と同じ効果。福島のほとんどの地域が帰れる。低レベルは体にいい』という話を頂いた」。 

≪決議・要望書を、来月中旬をメドに大臣に届ける≫
 「自民党の提言は、非常に大きな問題がある。3点と言ったが、それでは中々本来あるべきものに戻らない」。

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(以上、集会は2時25分~8時半まで)