2015年9月11日の活動

茨城県常総市へ。

【水害被害翌日の11日】県警が救助活動中

0922_01決壊現場から約8km。茨城県 常総市役所から直線距離で約250mの所。

 平成12年の『東海豪雨』(死者10人、重軽傷115人)の現場に、私がお手伝いに行かせて頂いた時は、水がほとんど引いた後でした。
 常総市の人口は6万3千人。決壊したのが、たまたま昼間だった事から死者は8人でしたが、もし夜間だったら避難しなかった人が多かったはず。
 狭山市も市の中心に川がある。入間川が決壊した事は過去には無いとの事だが、この教訓をどう埼玉県・狭山市で活かすか。

【水害現場】陸上自衛隊が救助活動中
 常総市役所から直線距離で約250mの所。市の中心部が水没しているので、自衛隊員がヘリで家1件1件に下りて、要救助者がいないか探している。
 市役所も浸水で停電。周辺の市街地一帯では信号も付いていなかった。

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【水害現場】常総市役所から直線距離で200m
 常総市は、茨城県で一番外国人が多いそうで、浸水していない所に外国人が何人も避難していた。
 今回広い面積に浸水したが、もしも狭い地域に水が集中していたら、死者はもっと出ていた。また、もし都市部での決壊だったら(今回の住宅浸水1万数千戸)。
 今回は救助する市も限られていたが、広い範囲の水害だったら。

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【狭山市の消防署にボートは2つ】
 所沢・日高市には湖があるので、それ以上に消防署はボートを持っているが、ボートをただ増やせばいいのではない。水害の際、どう逃げ遅れないようにするか。
 (今回の水害現場には、狭山市などの埼玉西部消防組合も行っている)

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【救助ヘリ。もし暴風だったら】
 今回ヘリでの救助作業は、現場が暴風・大雨ではなかったので出来たが、暴風では出来なかった(今回の救助者
3800人以上)。
 孤立しないようにどう事前に避難出来るか。

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【車で避難しようとして、救助が必要に】
 車だと、どうして大丈夫と思ってしまうのでしょう。出られなくなり、命の危険もあるのに。
 早めの避難が必要で、その為の情報を個々人がどう入手し、行動するかだ。
 災害時にスマホで映像を撮る人がいますが、まず身の安全確保を。

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【市街地の多くは湖となり、通行止め】
 《写真》この時私はこの水たまりの道を車で超えようとする車利用者に「やめたほうがいいですよ。あれはオフロード車だから行けるかも知れないけど」と声をかけていました。
 車利用者は「あちこち通行止めだから、ここで行ければいいのだが」と言っていました。

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【決壊した堤防。堤防の上で】

 青いシートがある所が、堤防がつながっていた所。左が鬼怒川。0922_08

決壊した時の同じ場所。0922_09

【決壊した堤防(青いシートがある所)】

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 写真、左に鬼怒川がある。
「暗い中での避難はパニックになるので、避難指示を出さなかった」と市は言っているが、このような行政の対応は今回だけではない。
 しかし、豪雨はよく夜にある。(気温が下がり、雨雲が下りて来るので)

【決壊した堤防の断面】

写真奥が鬼怒川。
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【決壊現場のすぐ脇】

この左側が決壊した堤防。
電柱が水の上にあるように、ここには道路があったが、地盤ごと、えぐられてしまっている。
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(上の写真の反対側から見ている)右側が決壊した堤防。
 電柱が水の上にあるように、ここには道路があったが、地盤ごとえぐられ、無くなってしまっている。
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道路が堤防のようになり、周りの土砂がえぐられてしまい、家がそれによって傾いている。
 (アスファルトの白い線は、歩道の線)
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【濁流で転がってしまった家】
決壊現場近く。2階部分ではないか。
 決壊当時のこの家と思われる写真。

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【決壊現場近く】
 決壊した所は、海岸のように砂が多く地表に出ていて、驚いた。
 堤防建設には、地元の土を使わざるを得ない(川は長い為)。この地域は砂地だったので弱かった事もある。
 今回浸水した地域は、過去に氾濫して流された土砂がたまった土地に住宅地がある(国土地理院『治水地形分類図』に色付けで示されている)。

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【水没した線路】
 広島豪雨の教訓だったのか、今回、市からの避難情報は、逆に細か過ぎて、決壊した地区には避難指示が出なかった。
 個々人の判断が迫られる。

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 住民の方にお話を伺うと、34年前の小貝川の決壊が印象に残っていたが、今回、防災無線は良く分からなかったとの事。
 鬼怒川より、むしろ小貝川の氾濫を恐れ、避難をためらった人もいた。

《写真の緑の奥が小貝川》0922_20今回の鬼怒川の決壊により水没した地区の周りを、小貝川が流れている。

行方不明者捜索中の自衛隊の皆さん。
 お疲れ様です。0922_21
(写真奥。信号機が、浸水による停電で、点いていない)

【標識が何本もある事で、道路だったと分かる】

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 南北18km、東西4kmが浸水。市の面積の1/3。
 常総市の隣り、つくば市は高台にあり、被害が無かった。しかし、常総市役所は「市内での避難が基本。広域での避難は考えなかった」。
 市は川の西側への避難を呼びかけたが、それでは決壊して浸水しつつある所を超えて避難する事になり、住民が戸惑った。
 全国の川の近くにお住まいの方に、こういうリスクがあるという事を、感じ、行動して頂く事が出来るか。

【浜名湖の水と、同じ量の雨】
 あまりに広い浸水範囲。
 今回の大雨で、浜名湖と同じ量の雨が降った。この量の雨だと、どこの川もあふれると考えるべき。
 鬼怒川の決壊は77年前(昭和13年)以来。平成14年には堤防からあふれた。他の河川に比べ、治水対策が遅れていた訳ではない。

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【大雨の雨量は、ミリでなく㎝で考えて】

《写真は決壊現場近く。津波のあとのよう》0922_24

 72時間に降った雨量は、栃木県日光市瀬川で63.5cm。日光市五十里で61.4cm。日光市五十里と鬼怒川でつながる決壊現場の距離は約100kmある。常総市での雨のピークが終わったのは午前4時で、決壊したのは、午後1時。大雨の際は、ミリで言われると分かりづらいですよね。

 「50年に1度の雨」と言われたのは、40cmの雨量で出される特別警報だったが今回、特別警報の1.5倍の雨量の所もあった。
 丸2日間、大雨により被害が出続けたのはこれまでは珍しいですが、今後もあると思ったほうがいいですね。

【水害対策、県議会で質問へ】

水害翌日(11日)の鬼怒川(常総市内)。奥に筑波山が見える。0922_25

 今回の大雨で関東・東北では、氾濫64カ所、決壊14カ所。
 今回の水害を教訓に、私どもの会派の松坂よしひろ県議(東松山市、川島・吉見町)が議会で質問する準備を進めています。
 ご意見がございましたら、お寄せ下さい。よろしくお願い致します。

【埼玉県庁職員、水害ボランティアへ】
 水害被災地の一日も早い復旧を手助けする為、埼玉県職員による災害ボランティア『埼玉県庁スコップ応援隊』が派遣されました。
 9月19日(土)茨城県常総市内、20日日(日)栃木県鹿沼市内。
 募集定員50人のところ70人の応募があり、全員を派遣したとの事。うれしい。県議に当選して最初に提案したのが、1人でも多くの災害派遣。
 災害現場を経験していないと、いざと言う時、市民の実情に合った即応が出来ない。これは日常業務にも役立つ。
 派遣結果がまた報告されればいいなと思います。

埼玉県職員による災害ボランティア「埼玉県庁スコップ応援隊」の派遣について