狭山環状有料道路を無料に

質問 中川 浩

 今回の質問で唯一地元に直結する質問をさせていただきますのは、前回も質問いたしました狭山環状有料道路、県の道路である有料道路の無料化についてで、今回は違う観点から質問を伺います。なお、有料期間は、あと残り9年であります。
 大分県では、県道路公社の有料道路3路線を市町村の負担を求めず、料金徴収期間を待たずに県の考えで2年前に無料化したと伺いました。これは国の交付金を使って行ったそうですが、このような方法について県は検討されたのでしょうか。狭山環状有料道路のある地域の実情ですが、狭山市の法人税収の多くは製造業からで、法人税収の6割以上が自動車関連企業からのものと推察され、寄居町の大手自動車工場が来年本格的に稼働し、狭山市にある工場の生産ラインは現在2本稼働しておりますが、その稼働が1本になると企業の公式見解として報じられております。
 また、狭山市の真ん中には入間川と川の隣に国道16号があり、2つの工業団地が川で挟まれております。そうした中で、橋の通りは朝夕特に混雑をいたします。県道である狭山環状有料道路が有料であることにより、無料であるほかの橋の道路が渋滞し、その渋滞によって生活道路は、私が高校時代、マラソンコースでほとんど車が通らないところでしたが、抜け道となって迂回車両によって頻繁に流入してくるようになっています。先日、県の担当職員の方、県土整備の担当の方に現地を確認していただき感謝しております。ありがとうございます。
 そこで、まず認識を伺いたいのですが、入間川大橋の通りの渋滞と特に生活道路への迂回流入は、有料橋が大きく起因しているとの共通理解をしていただけますでしょうか。生活道路をスクールゾーン等の交通規制にすることは難しく、その道さえよければ的でしかありません。
 次に、有料であることにより、この入間川大橋の通りの大渋滞による負の経済効果をはじめ、無料にした場合の経済効果をご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。有料道路の形状からして東松山や富士見にあった有料道路とは形状が違い、料金を払う意識は持ちづらく、市町村合併で無料にした浦和の橋と同様、早期の解消が必要だと考えます。県土整備部長のお考えをお聞かせください。


答弁者:岩崎康夫 県土整備部長

まず、国の交付金を使った無料化の方法を県は検討したのかについてでございます。
 大分県では、平成22年12月に有料道路3路線を無料化いたしました。
 これは、平成21年度限りの国の地域活性化・経済危機対策臨時交付金を活用し、公社の借入金を償還して道路公社を解散したものでございます。
 本県では、今後の道路整備の担い手として道路公社は、引き続き必要と考えております。
 また、有料道路制度は受益者負担の原則で成り立っており、これまでに、新浦和橋においては、地元自治体から負担をいただき無料にした事例もございます。
 このため、一概にこのような交付金を活用した方法で、無料化することは難しいものと考えております。
 次に、入間川大橋の通りの渋滞と生活道路への迂回流入についてでございます。
 現地で確認したところ、入間川大橋の通りにおける渋滞については、朝の7時から8時半ごろまで西武新宿線の踏切を先頭に、国道16号を越えてさらに西側まで伸びている状況でした。
 また、この入間川大橋の通りの渋滞を避ける車両が生活道路に入り込んでいる状況でございました。
 こうした渋滞は、狭山市域における国道・県道・市道の道路ネットワークの状況、それぞれの道路の交通容量、踏切における交通遮断などが要因と考えられます。
 これらのほか、周辺の土地利用状況など、地域における様々な要因が相互に関連しているものと考えております。
 このような状況の中で、有料道路は朝の混雑時に1時間当たり約700台、5秒に1台の割合の交通量を担っております。
 次に、有料であることによる不経済効果と無料にした場合の経済効果の検討についてでございます。
 これらの検討に当たりましては、先ほど申し上げましたように、地域づくりの主体であり、無料化により最も利益を受ける地元狭山市が中心となって実施することが望ましいと考えております。
 県といたしましては、これらの検討に当たり交通センサスデータの提供など必要な協力をしてまいります。
次に、無料にした浦和の橋と同様、早期の解消が必要ではないかについてでございます。
 受益者負担を原則としている有料道路において、料金徴収期間満了前に無料化する場合には、その時点での債務を返済する必要がございます。
 さいたま市内の新浦和橋は地元市が約33億円を負担し、無料化をいたしました。
 狭山環状有料道路は、狭山市内の交通渋滞を早期に解消するため、地元の要望に応え有料道路事業を導入して整備したものでございます。
 そこで、この有料道路の無料化につきましても、新浦和橋と同様に、債務の返済に当たって、地元自治体の負担をいただくことが必要であると考えております。
 今後、平成24年度末には都市計画道路東京狭山線の所沢市内の国道463号から日高市内の圏央道狭山日高インターチェンジまでの約15キロメートルの区間がいっきに結ばれます。
 この機会をとらえ、より多くの方々に有料道路を利用していただけるよう、引き続き、道路公社と連携しながら利用拡大に取り組んでまいりますので、ご理解を賜りたいと存じます。