2014年8月24日の活動

広島豪雨災害現場へ。(7時の飛行機で、災害現場に10時着)

広島市 安佐南区 八木地区(今日時点でこの地区だけで、死者29人、行方不明35人と、人的被害最大)。


行方不明者の捜索現場(広島市消防局の皆さん)。
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 私がお手伝いさせて頂いた現場は、行方不明者の捜索活動を、消防隊員が行っている3件隣りの家で、高台の一番上。グーグル航空写真で見ても、山の端まで住宅がある事が分かる(私が行ったのは航空写真で、梅林住宅と書いてある上の広場のように見える右側の住宅。龍華寺のすぐ下)。住宅街を上がっていく道は、息が切れるほどの急こう配。ママチャリでは上まで上がれない。


私がお手伝いしていたお宅(右のスコップ)から、行方不明者の捜索場所の距離感。
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 いつの災害でもそうだが、家の敷地内は復旧作業の重機は入れないので、住民やボランティアが手作業でやるしかない。

泥に足を取られながら、車を移動させる為、駐車場の泥やガレキをかき出す。
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 家の敷地に泥がたまり、車の先端が埋まって動かせなくなっているので、住民の方とまず車の下の泥をかき出そうとしたが、木の幹や枝、手ではちぎれない固いビニールなどがからまりまくっていて、最初はスコップの1/2分しか泥をかき出せない(自衛隊員が手で小さなガレキをリレーで運んでいるニュース映像を見て「もっと運べないのか」と思われたかも知れませんが、少しずつしかかき出せないと、やってみて実感した)。

道路側(左)からの泥や雨水の流入をくい止める為に、土のうを積んで、泥をかき出し、車を上に動かした。
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 そこで、車を持ち上げてからガレキをかき出そうと、私が地域を回ってジャッキを持っている方がいないか探し、ジャッキUPし、木を取り除き、泥をかき出し、車のエンジンをフル回転させながら大人4人で押して何とか車を動かした。車を動かしてみると、車が乗っかる程の泥が下にあった。

道路が冠水しているだけではなく、泥沼で進めないので、家の軒先を何とつたって住民の方と進む。
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 家の前の道路は、歩いて通れないほど冠水し、木やガレキが泥に埋まっている。家の駐車場が道路側に少し下っていて、これ以上浸水すると車が浸水してしまうので、駐車場の少しでも上のほうに今日動かさないと、大雨が夕方から降る予報なので車が壊れてしまう。今朝空港に着いた時に既に小雨が降り現地に着いた時は止んでいたが、今にも大雨が降り出しそうな空模様なので急がなければとあせるが、畳3枚分の広さの泥を大人4人でかき出すだけで1時間半はかかった。これでは高齢者は途方に暮れてしまう。泥を土のう袋に入れて、長い時間運ぶのは大変だ。

”まさ土”で、舗装された道を進むのも、注意が必要。
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 “まさ土(真砂土)”という崩れやすい土はTV報道で有名になったが、災害現場の道を進む際、復旧工事をやっていて迂回しようとすると、まさ土の土に足がどんどん埋まり足が完全に埋まってしまう。まるで底なし沼のようで、怖さを感じる。それでも人に迷惑をかける訳にはいかないので、自力で脱出。
 次に足を運ぶ所が泥で埋まらないかどうか、スコップで確かめながら進む。
 マスコミの記者が傘を差しながら歩いて来たので、傘を差すのではなく傘を杖のようにして歩かないと危ない、と薦めた。

ブロック塀にのぼらないと、移動出来ない。女性・高齢者は大変だ。
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 住民の方も、道や家の敷地が冠水していて進めないので、ブロック塀の上を渡ったり、冠水していない家の敷地に入ったり、(近所の方が声をかけ合い)近所の方に借りたハシゴを2つつないで、家に入ったりしていた。

愛媛県緊急救助隊の皆さん。避難指示が出て、現地本部に集まり、これから一旦下山するところ。
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 泥かき作業も泥に足を取られながらなので、普段動かさない方向に関節が動かざるを得ず、作業を終えた段階で既に足の関節回りが痛かった。行方不明者の捜索活動や復旧作業をされている方は、相当疲労困ぱいだと思う。愛媛県などの緊急消防援助隊や、陸上自衛隊の隊員の方に声をかけさせて頂いた。先に向こうから、「お疲れ様です」と声をかけても下さった。
 雨が降り避難指示が出て、捜索隊も住民も避難。上空には常にと言っていいほど、自衛隊・警察ヘリが山崩れの警戒で飛んでいた。

山から落ちてきた大木の山。
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 (山を下りながら、周囲の状況を撮影)

道の土砂。
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土砂崩れで横転した車と、上から落ちて来た岩。
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雨水や土砂によって、めくれ上がってしまったコンクリの歩道。
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家の敷地に流れ込む山からの雨水。
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山の下のほうに来て、次の作業現場は、山から住宅の敷地内に流れて来る大量の水を水の道をつくって流す作業。


雨水を家の敷地内から流す為に、雨水を通す部分は掘り、周りに土を盛ったり、土のうを積む作業。
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川ではなく、舗装された道路。
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道が川になってしまうので、石などを積んで排水溝へ雨水を流し、下の住宅に行かないようにする。
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 災害現場では、若いボランティアの方が男女共多かった。

狭山の子供達が折った鶴を、災害ボランティアセンターに戻って、飾ってくださいました。
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 災害ボランティアセンターに戻って、狭山の子供達が折った鶴(時間がなくて、千羽は折れませんでしたが)を飾って頂いた。

 

TVでよく出て来る県営住宅周辺の山崩れ現場(写真一番上から崩れているのが分かる)。
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広島市 安佐南区 八木地区 災害現場全景(災害現場はここだけではない)
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土砂崩れ現場(上部)。 地面がいかに深く削られているか、木の植わっている位置を見ると、良くわかる。
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土砂崩れ現場(上部)。人の大きさと比べても、こんな。
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土砂崩れ現場(中腹)。ここにも住宅があった。
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土砂崩れ現場(中腹やや下)。元あった家は、見る影もない。
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土砂崩れ現場から、下の街を見る。亡くなった高校球児の家はこの下にあったと住民の方がおっしゃっていた。
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現地で伺った話。
 「広島は、台風が10年に1度くらいしか来ないから、災害は無いと思っていた」


土砂崩れ現場と、住宅街。
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 「平和ボケで、山崩れがある前に避難勧告があっても、恐らく逃げなかっただろう」


ここだけで、2か所が山崩れ。
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 「3時間で、1か月分の降水量の2倍降った。土のきな臭い匂いがしていた」

他にも2か所が崩落しているのが分かる。
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 「広島が扇状地だということは、社会科の授業で習う。『広島は、扇状地の見本のような所で、豆腐の上に家を建てるようなものだから、高い建物が建てられない』と教わった」(今の建設技術ならマンションも建てられると思うが、マイホーム世代で上へ上へ住宅街が出来たのだと思う。砂防ダムは1基つくるのに1~4億円もかかる。そんな巨額予算をかけるのは限界がある。雨量予測の精度が高まればいいとは思うが、文明の利器を過信すると東日本大震災のようになる。30、50年後を見すえた都市計画、コンパクトシティを進めていかないと、結果として困るのは私たち市民だ)
 一方、広島の福山は埋め立て地。駅から200mの所が、かつて海だった。南海トラフ地震では5mの津波が想定されているとの事。
 ボランティアセンターのリーダー「友人が今も土砂に埋まっており、居ても立ってもいられず、仕事を休んで来た」。
 新幹線で移動していても、山の中腹に住宅街が多い事が見てとれる。

 今回、広島豪雨災害現場に、急きょ行かなければと思ったのは、埼玉県でも土砂災害など危険区域と認識している個所は、約5千か所あるとみられる(うち3割が未指定)と聞いていたので、他人事ではないと思い、来ました(狭山市内にも急傾斜地があり、県が補強工事を行っています)。特に、ゲリラ豪雨は、今後増えていくと思います。

埼玉県、土砂災害の危険箇所3割が未指定 住民周知徹底へ 8月27日埼玉新聞)

広島から帰ったその足で埼玉県庁に行き、県土整備部長などに報告。対策を意見交換。
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なので翌日、広島から帰ったその足で埼玉県庁に行き、早速、県土整備部長に報告。8月21日に視察した『滋賀県流域治水条例』を、埼玉県でも制定する必要性について、改めて訴えました。(今後、滋賀県庁の職員に埼玉に来てもらい、勉強会を行う予定です。またお伝えします)

 また、同僚県議にも話したところ、県内の地方議員メンバーと労働組合で、広島にボランティアに行こうという事に今日(火)なってくれて、やり取りしました。
 今日も広島の天気が気になる。
(また動きがあれば、随時お伝えします)


広島豪雨災害 義援金
(赤十字)

 

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広島平和資料館。
 久しぶりに広島に来たので、短い時間でしたが、寄りました。

5才の子の焼けただれた三輪車が展示されているのが、痛々しかったです。
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写真の解説文です。お読みください。
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原爆により、重症の女学生の写真だそうです。
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当時の写真。
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原爆投下前の航空写真。
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原爆投下後の航空写真。
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原爆投下前の広島の街並み。
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原爆投下後。
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広島の友人と会合。豪雨災害について聞く。
(10時過ぎまで)