2015年10月3日の活動

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「埼玉に琵琶湖(写真)は無い。 しかし私たち埼玉県民は、荒川・利根川水系で、他県の山からの恩恵で、水を飲んで生きている。琵琶湖は無いが、もっと水・環境に意識を持たないとな」。
 滋賀県 前知事 嘉田さんなどから昨日話を聴いて、そんな事を思いました
 「原発に変わりがあっても、琵琶湖に変わりは無い」今日の会議で、口々に専門家が言われています。

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 「私達が、皿を洗う・洗濯で使う洗剤、シャンプー、せっけん。これを水道で流して、最終的にどうなっているのだろう」
 子供の頃から思っていた。海に、たまっていくのかと。
 下水道処理場で処理されても、無くなる訳ではない。
 『お皿をこすらなくても落ちる』との売り文句の洗剤。果たして。

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(琵琶湖博物館の展示は分かりやすかったです。滋賀県の前県議 山田実さんが案内してくれました)

自分達が流した水がたまって、湖が汚れる。
 私たち埼玉県民にとって、海は近くないが、それをイメージ出来るか。
 東京湾を見る時、私達が汚していると日頃思っています
 琵琶湖が1400万人の水道。私達が飲んでいる荒川・利根川水系は、それ以上に利用者が多い水。

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『原発のコスト』について、九州大学 吉岡斉 教授(原子力市民委員会座長)に、個人的にお話を伺いました。(日本環境会議 滋賀大会にて)

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 「生命保険会社では、原発事故のコスト計算をしていると言われている。原発が世界に400基あって、これまで事故があった基数で考えると、7,8年に1度事故が起きている。今後また、10年以内に事故があるのではないか」との事。背筋が寒くなる。
 また、別の教授にお話を伺っていて、妙に納得した事。↓
「自動車でさえ、発明されてこれだけ時間が経っていて、まだ製造ミスによるトラブルがある。私は機械工学が専門だが、機械は、事故があって当たり前と思わないと」。(以下、吉岡教授の講演)
 「原子力を推進する立場の人とも意見交換して来た。
 原子力の政策提言をしていくのが、原子力市民委員会で『原発ゼロ社会への道』を発行。それを“原発『介護』プラン”と私は呼んでいる。あんな事故を起こしても電力会社がつぶれない。特典をもらって原発を進めて来た。原発は、終末期医療“ターミナルケア”が必要。来週あたり『エコノミスト』に掲載される」。


吉岡先生のコメントはHP8月12日の所にも。
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明通寺住職 中嶌哲演 氏講演(福井県・小浜原発建設に反対した市民の会 事務局長)。
 「先ほど『原発は、ターミナルケア』との話だったが、その後は、私の“出番”になる。
 小浜市は福井県内の原発15基のド真ん中にある。しかし小浜市は特殊ではない。
 原発と貯蔵施設を拒否して来た歴史がある。9団体で反対。ビラ6回。「子孫を泣かせないで」との声。
 約8km先に大飯原発が4基あるが、反対意見を排除されて来た。原発から10km圏の75%が小浜市民」。

嘉田由紀子(前 滋賀県知事。びわこ成蹊スポーツ大学学長)

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講演『なぜ”卒原発”を琵琶湖から提言したのか?”被害地元”知事の責任と苦悩』
 「なぜ『卒原発』を滋賀県から提言したのか。原発から13km。やむにやまれず。
 私は母親の手1つで育てられ、貧しかったので、畑仕事をして、『名前の無い草は無い』と教えられた。アメリカに行くには、当時は1ドル360円時代。探検部のある大学に入るしかない。しかし、大学に入ってから、探検部は女人禁制と言われたが、現在、探検部は女性6割。
 40年前、『環境県』を掲げて、武村知事が誕生。
 「水が汚れたら、下水道を作ればいい」と言われたが、でも自然破壊は?“生活環境主義”を掲げる。
 私の知事選挙で、自民党の200団体推薦の知事陣営から「軍艦に、手漕ぎ船」と言われたが、手漕ぎ船にはガソリンは、いらない。市民の手で闘った。

琵琶湖には、洪水防止機能があり、河状係数67。
 若狭の原発がこんなに近くにあるのに、物が言えないもどかしさ。明治時代は、滋賀県は若狭県だった。もし若狭県だったら、原発は来なかったのではないか。「間接被害地元」と「立地地元」がある。
 災害時、地元の県は動けない。2011年3月13日に“カウンターパート(おしかけ)支援”を決め、京都府と一緒に、福島県を支援。今でも滋賀県庁職員は十数名派遣されている。
 原発再稼働に、道理は無い。原発を、大往生して、あの世に送りたい。
 2011年7月、知事会で「卒原発」を呼びかけた。山形県知事が賛同。
 放射線拡散リスク アセス。滋賀県独自の防災計画、見える化戦略。
 スピーディはおよそ170億円かけたが、日本の環境政策は、放射性物質を扱わない。原発から放射性物質は出ない事になっている。モニタリングの経験が無い。計画策定の予算は全部、県単独予算。福井県には様々な予算が入っているのに。リスクの予算を国が責任持つべき。計画を公表しようとした時、市町村長から「人心を混乱に陥らせるようにすべきではない」。説得に。2011年11月公表。
 2012年、民主党政権時代、大飯原発の再稼働が話題に。藤村官房長官「地元同意に滋賀含まず」。京都府と7項目の共同宣言を、あえて琵琶湖で、知事が直接読み上げた。担当に任せようとしていたが、職員では荷が重かった。未だに事故原因の究明は、国民理解に至っていない。脱原発の工程表なしに、再稼働は認められない。オフサイトセンターがいかに機能しなかったか。7項目は未だ国が手を打っておらず、有効。
 実効性ある避難計画は、残念ながら不可能。
 関西広域連合を作ったところ、関西電力の電力地域でもあった。関西広域連合は、知事・市長・経済界。エネルギーの話をしたが、結構ビビった。東京に本社が製造業は移り、電力会社が最大の企業。「電気の変わりがあるけど、水の変わりが無い」と言うのに、度胸がいった。賛同する経営者も。
 野田総理は「ブラックアウト(停電)したら、病人が死ぬ。中小企業がやっていけない」と言った。そこで、クール・ファミリーライフを提案し、県立美術館・博物館を真夏に無料にしたら、かなり来るようになった。普段は入館料700円。「家で1人でクーラー付けているんだったら」と、その2年後、デパート・福祉施設の利用を推奨。ある意味、福祉のつながり。再稼働なしに、停電しない結果に。電力15%カット。協力してもらったら、これだけ出来る。
 原発事故時の水質への影響。物理的にフィルター可能かどうか。福島事故時、ヨウ素が東京の浄水場から出て、乳児にペットボトルを配った。
 事故時、20日間くらい、琵琶湖からの給水困難に。深くて、あまりに広い湖にどういう影響か、世界で知見が無い。
 鹿児島県は「10km以内の要援護者避難計画は作らない」と言った!
 『琵琶“湖”は避難出来ない』を、皆さんに広めて頂きたい。原発プラントの図は安全対策の一部でしかない。4重の多重防護。プラントの専門家はいるが、避難行動計画の専門家は少ない。
 『放射線計測データが上がったら、避難する』事になっているが、その時は渋滞する。県『自家用車の避難はやめよう』。高島市から道路は2本しかない。地震で道路が寸断する所も。
 労働安全衛生法、安全な所にしか労働者は送れない。避難用500台のバス、誰が運転?
 30km圏は事態発生後と言われている。
 原発のテロ対策は、不備。
 
『お任せ民主主義』。親分に任せるのが、今まで。
 流域治水条例を制定し、水害マップを公開しようとしても、『人心を混乱に貶める。川の中に水を閉じ込めるのが仕事だ』と言われた。
 都合のいい事ばかりではない。Jビレッジは、福島の事故で、除染の拠点になっている。スポーツの世界こそ、施設がどうなっているのか。政治の仕組みを学んで。『政治とスポーツ』の授業を来年やりたいと思っている。内面から人を良くするのは、スポーツと文化」。

会場の福島避難者から発言「浪江の悲劇を繰り返すな。逃げてはいけない所に避難した」。

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小出裕章 元 京都大学 原子炉実験所 助教授、
講演『原発再稼働に道理は無い』(以下)。
 「原子力なんて物が何で必要と言われたのか。
 1954年の報道では、『原子力発電は、電気料は2千分の1になる。ボイラーの水もいらない。山間・へき地を選ぶ事も無い。ビルの地下室が発電所になる』(添付)。私も大学を選ぶ時、それを信じて入った。しかし、原子力の量は、化石燃料の量を超えない。原子力は、核融合へのつなぎ。核融合は実現しないし、実現させてもいけない。原子力は、火力・水力に比べてコストが高い。国は安いと言っているが、実際の経営データを使えばそうではない。
 原子力の電力が夜余るから、全くムダな揚水発電をやった。
 ホントに事故の賠償をしようとすれば、東京電力が何十回もつぶれ、国家がつぶれる。電気事業法が、電力会社の利益を決める。原子力をやればやる程、もうかる。
 広島原爆のウランは800gだが、100万kw発電の原発を1年間稼働させるウランの量は1t。地球上のウランは、簡単に無くなってしまう。800gの死の灰の千発分を1年で作り出し、原発施設内に保管。大きな事故を起こす前に、何とか止めたいと思っていたが、残念ながら事故が。
 原子力を動かす人も、危険は知っていた。都会には原発を建てない。東京・大阪・名古屋。危険を過疎地に押し付ける。どうしても必要なら、そこに建てればいい。
 最悪な物は、再処理工場。1年かけて環境にばらまくのを1日でばらまく。
 事故は未だ収束していない。4号機の原子炉に燃料は無かったが、使用済み燃料は、広島原爆1万4千発分のセシウム137があり、建屋の半分が吹き飛んだ。
 セシウム137が人間に一番の悪影響。余震で、もし燃料プールが崩れ落ちる事があれば、東京すら人が住めなかった。水を入れようにも、ヘリでも近づけなかったが、高所消防車で何とか水を入れられた。
 溶け落ちた炉心が、今どこにあるかすら分からない。現場に今も行けない。人間が行けば、即死。ロボットは被ばくに弱く、みんな討ち死に。福島原発は、多数の外国人労働者で、日本語が通じない。それなのに、オリンピックをやろうと。大変におかしな事。
 原発事故は『広島原爆の168発分』と政府は言っているが、過小評価だと思う。それに、汚染水は一向に収束出来ないで、流れている。
 日本には1年間で1ミリシーベルト以上被曝させてはいけないという法律がある。4万ベクレルも1㎡あたり放射線管理区域にあったら働けないし、4万ベクレルを超えた物は、ゴミだろうと、管理区域以外に出してはならないのに、広大な地域が、6万ベクレルに。
 福島第2原発を再稼働したいと言われているが、冗談ではない。
 セシウム137が東北・関東に降った量は、2.4×10の15乗ベクレル(750g)。あとは太平洋へ。五感に感じる量なら、人間なんて簡単に死んでしまう。そんな物と闘っている。ホントにひどい事になった。
 汚染物は、東京電力に返せばいい。嘉田さんもそう言った。
 川内原発が再稼働させられた。原発だけは絶対に安全と言われて来たが、絶対安全な機械なんて、あるはずが無い。新規制基準は、“破局事故”を前提にし、再稼働を許す為に作った。
規制委員会は『安全だと申し上げない』と言い、政治家は『安全性は確認した』と言い、誰も責任を取らなくていい形になっている。
 一番大事なのは、避難基準。
 “原子力”と呼んでいるが、『核』と同じ。核武装を求める国家の要請。原子力にすがるしかなくされた地方自治体。麻薬となる多額の補助金。
 “原子力マフィア”-犯罪者集団。全ては自民党政権が認可した。でも事故が起きても誰1人責任を取らない。彼らはそれを最大の教訓として学んだ。そんなのに、道理があるはずがない。世界中の原発を、私は一刻も早く止めなければならない。
 子供は、放射線被ばくの感受性が強い。
 日本の電気は、原子力なんて元々必要なかった。電力が足りる・足りないとは無関係に、まずは、やってはいけない。ここの電力は、川内原発は動いているが、原子力を使っていない」。

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 『原発コスト』を勉強したいと思って本を買った2日後に著者、立命館大学 大島堅一 教授(写真右)に偶然、お会いしました(こういう偶然は多いですが、それだけに大事にしたいと思います)。今後、勉強会にお招きしたいと議員仲間に話しました。
(講演骨子)「何かを保護しないというのが、自由化という事なのだが、原発を保護して、電力を自由化するとの事」。
(写真左は、滋賀県知事 三日月 氏)

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滋賀県知事 三日月 大造氏。

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 「原発について、5つの『ない』を思っている。(一部紹介)
 誰も被害者になら“ない”。
 長く“ない”。原発の新設・リプレースは容易ではない。原発は卒業していかないと。
 出来なくは“ない”。
 来年度以降、施策につなげて行く。
 知事選挙で私は『原発から卒業したい』と訴えたので、皆さんと果たして行きたい」。

 嘉田 前知事「安倍総理が送り込んで来た原発再稼働推進の知事候補に対し、県民の皆さんが選んで下さった三日月知事だからこそ出来る。知事は執行権を持っている。若い人がその看板で引き受けてくれればと思った。
 知事として言いにくい事があった。三日月さんが言いにくい事を、私が言う」。