2018年11月27日の活動

大阪市立大空小学校 元校長 木村泰子さん講演会「🎥映画『みんなの学校』から考えるみんなの地域」(横浜市瀬谷区)
 「『みんながつくる。みんなの学校 大空小』と学校に書いてある。固く言うと、義務教育。自分が安心して、ありのままの姿を出す。自分と違う友達に、いかにつながっていくか。
 次から次に『発達障害』というレッテルを貼られる。子供が対等の関係でつながっている事が大事。“分断”するなら、何の為なのか。自閉症などの特性を持った子はいるが、“自閉症の子”はいない。
 医師達に講演で「子供を検査して、自分はドクターだと思っているかも知れない。たかが1時間会った人が『発達障害』と診断を下して、夜眠れますか?」と話したら、20人の医師に囲まれ「よくぞ言った」と言われた。医師達からは「現場を知ってる先生として言われたその言葉をどれ程聞きたかった事か。発達障害は子供の頃には分からないから、もっと先でいいのに、学校から“診断名を付けろ”と子供が病院に送られ、発達障害の診断を求めて来る。“診断名が付かないと学校に置いておけないから”との要求を断り切れず、診断名を付けて、苦しんでいる」この専門家の言葉がありがたかった。
 障害のある子も、普通学級で学んでいる。全員の子供の幸せを保障する。『普通の学級に障害がある子を受け入れている』こんな発想が社会に、はびこったら、どんな大人になるのか。大空小は支援学級も、普通学級も無い。『特別』という言葉があってはならない。特別の反対は普通? 子供に「普通ではない子は特別なの?」と言われた事がある。子供に原因があるのではなく、それを作っているのは、私達大人。大空小の子供達はみんな一緒があたり前で、周りの子の学力が付く。子供達は、誰が何に困っているか理解し、対等の関係を持っている。
 全国学力テストは、イヤな言い方をすると、普通学級に学んでいる子の調査です。「お宅の子に合わせるから、こっちに行って」と特別支援学級に行かせれば、平均点は上がる。しかし、大空小の学力は、開校2年目に市内で下から2番だったが、その後、全国1位の秋田県の回答率より8ポイント上になった。どうすればいいか?それは、先生が教えるのをやめる事。「分からない」と言える子をどれだけ育てるか。『あたり前』を毎日全員で問い直す。教えるのではなく、力を引き出す事。引き出すのは先生だけではない。PTAは学校の下部組織ではない。対等でなければ、地域の子供は育たない。大空小では、よその子を、地域の人が育てる。自分の子供が育ったら、周りの子供も育てる。PTAは無いが、出来る人がムリなく楽しいサポーターが沢山いる。子供達は、先生には言えなくても、友達のおばちゃんには言いやすい。その人が先生に言ってくれる。不登校は1人もいない。
 指導者である前に、1人の社会人、人間。私達は、認めてもらいたいから、よくブレる。「これでいい」と思った日は無い。『受け入れる』という言葉ほど、排除を生む言葉は無い。多様な地域にする。学校が変われば、地域も変わる。”学校を開く”のは手段。目的は子供達が10年後に地域社会の中で学力を発揮する事。学校はスイッチを入れ替える必要がある。大人がした事を子供は大人になってする。校長は、コーディネートに力を注ぎ、リーダーシップはいらない。
 親に暴力を受け続けた子供は、児童養護施設に行っても「大空小に行きたい」と言って承諾された。その子が高校生になり「大人になったら、大空小地区の住民になって、地域の人にしてもらった事を地域に返したい。皆さんがしている事は、必ず困っている子供には、きちんと伝わっています」(会場のお母さん達は何人も何人も泣いていました)。
 皆さんの地域の学校で、大空小のように出来るかどうかは、必要と思うか。
 毎日、職員室で雑談している。子供から「くそババー死ね」と言われて「先生にそんな事言ったらダメ」と言ったら、見えない偏見を吸って、大人になって行く。なぜその子は、そう言ったのか。「死ね」と言わせたのは私で、私に問題がある。そう言われた瞬間に去って、安心する人にバトンタッチする決断をする。無理していると、力を使う。そうすると子供は学校に来なくなる。学級が崩壊する。“力で勝負しない”と全員で共有した。
 大空小に他から来た子は「空気が違う」と言う。言葉より、目に見えないものを子供達は感じて、苦しくなる。グラウンドで遊ぼうとすると、他の子に“あっち行け”と言われ、「暴力はいかん」と先生は言うが子供は納得出来ない。向こう行けという事を、その子は「死ね」と言う。一番暴力をした児童について「彼は今困っている。数十秒後、暴れたら彼は余計に困る」と言った。
 「こうさせなければならない」と思っている間は、とてもつらい。大人が変わると子供は一瞬で変わる。『指導』を教師の商売の根幹だと思っていた。給食でキュウリを食べさせる指導をしようとする教師に「『この手の上にある皿にゴキブリが載っている。体にいいから食べなさい』と言われたら、どうする?」と言った。子供にとって、キュウリがゴキブリ。
 運動会は、日常と違う日。6年生の子は、小1の2週間しか学校に行けていなかった。運動会に参加せず、校長と一緒にいた6年の児童が、小1の玉入れを見て「玉入れやりたい」と言ったので許可すると、小1の子達は小6の子が大きいから玉を次々に渡して、勝利。子供が納得して帰れば、次の日も学校に来て、モンスターは出ない。「普通の子の親から苦情は出なかったのか?」という疑問が出るのが、“今の社会の問題”。
 『めばえ学級』―特別支援学級の看板を、子供達は「なんの部屋?」と聞くので、(トランポリンなどがあるから)看板を『フリー・ルーム』とした。
 13年前、遊んでくれる同性の児童に「結婚しよう」と言った児童は進んでいた。遊んでくれるから、うれしいという言葉が、“結婚しよう”だった。
 大空小の廊下で子供は「こんにちは。〇〇です」と言うので、驚くが、双方向。
 進学高で講演し、アンケートでほとんどの子が「『障害のある友達を下に見ていた。なぜその子の世話をしないといけないのかと疑問だった。そんな過去の自分を今からでも取り戻せる』と書いてくれた」。

 

(聴覚障害をもっている方でも分かるプロジェクター。私も助かります↓)

 

2分弱の予告🎥映像あり。

映画『みんなの学校』公式サイト

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<11月27日の行動>
市民相談。
教育相談。
教職員と意見交換。
市議2人それぞれと意見交換。
県 川越県土整備事務所職員。自転車利用を考えた道路維持管理について私から発言。
県 子供安全課。里親募集の推進。
木村泰子さん講演会「🎥映画『みんなの学校』から考えるみんなの地域」(横浜市瀬谷区)
外国人労働の雇用環境について教えてもらう(藤沢)。
(10時に帰宅)
明日の会派会議資料作成。(1時まで。つらいけど仕事)